江戸時代に発祥し、それまで大名家が裃(かみしも・武家の礼装のこと)の柄を絢爛さを競い合っていたために幕府から規制され、遠くからは一見無地に見えるように、各大名家はシンボルの柄を細かく染める工夫を凝らし作り出されたことが始まりです。
それから江戸小紋は、町民の中でも流行し、身の回りの品からおめでたい文様に至るまで様々な柄が作られ始めました。
江戸小紋の伊勢型紙は、染めに耐えられるよう和紙を柿渋の液体を塗り3枚重ねになっています。
その型紙に、それぞれ錐彫り・突き彫り・道具彫りの技法を持つ型紙彫師がきわめて細かく孔を開けていきます。細かい柄を無数(3.3センチ四方に八百~千二百個)に開け型紙を作り上げます。
その型紙にその細かい柄を寸分狂いもなく型紙を送り糊を置いていく。。型紙作りの技法、染めの技法、双方大変な技術の凝縮であることがわかります。
その江戸小紋は、文字通り江戸時代に武士の裃に使われていたこともあって全盛を迎えました。
また、小紋と名がつきますが、当時武家の裃に使われていたので小紋のきものより格が上になります。
柄によっては、言うまでもなく徳川将軍家の定め柄のお召十(おめしじゅう)と「江戸小紋三役」と呼ばれる、鮫・行儀・角通しなどの各大名家の定め柄はさらに格式高いきものとされています。
帯合わせは、金銀地や黒地の帯を締めて慶弔の装いに、染めのなごや帯を締めてカジュアルに。
実は着用機会がとても多いきものなのです。
※画像は伝統工芸会正会員の染色作家、小林義一氏の工房にて。
8月に工房見学をさせていた頂きましたが、工房の中のあまりの暑さに汗が止まりませんでした。なぜなら防染糊の糊置きには細心の注意を払い、その季節時候の気温・湿度・空気の流れの変化は糊置きが困難になるため、糊置き工程中は空調機器は一切使用しないからです。
作家・職人の方々の、伝統を守り続けるための弛まぬ努力と向上心には敬服いたしました!
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